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日銀によるマイナス金利政策が解除されると、住宅ローンの金利も上がっていくのかどうか、という疑問に答えるかたちで解説しています。ただし、ローンの種類によって状況は異なりますし、また、賃上げなどの明るい材料もあるため、これから注文住宅を購入しようしている方は、あまり急いで判断をするのは避けたいところです。
日銀がマイナス金利を実施してきた理由をふまえた上で、マイナス金利の解除が話題になるのはどういった場合なのか、その背景がわかるように解説していきます。
日本の中央銀行として、お札を発行したり金融システムの安定を図ったりする重要な機関である日銀。日銀はまた、民間の金融機関からの預金を預かり、それを金融機関に貸し出す役割も担っています。民間銀行同士が、取引決済を滞りなく行えるようにすることが目的です。
民間銀行が日銀に預金する際に使用する当座預金口座にも、原則的には利子が付きます。けれども、日銀がマイナス金利政策を行う際には、日銀に預けられている預金に付ける金利がマイナスになるのです。お金を預金するときに、手数料を払う必要が生じる状態になっているわけです。
日銀のマイナス金利政策のねらいは、民間銀行から企業や個人への貸し出しを増やすことにあります。そうなれば、たとえば企業は設備投資をしやすくなりますし、個人の場合には住宅を購入しやすくなるでしょう。その結果、好景気が生まれる可能性が高まるわけです。
16年に日銀が導入したマイナス金利政策ですが、ここにきてマイナス金利の解除に関連する議論が活発化しています。その大きな理由として挙げられるのが、日本の物価上昇です。多くの方が実感しているとおり、日本の物価は上昇傾向にあります。
マイナス金利の解除を受けて住宅ローンの金利が上がった場合、返済額はどのくらい増加するのでしょうか。たとえば、3500万円の住まいを購入するために500万円の頭金を入れ、残りの3,000万円について元利均等35年返済のローンを組んだ場合をみてみましょう。この例のように長期ローンだと、金利わずか1パーセントの差が、合計すると600万円を超える差を生んでしまう計算になるのです。
マイナス金利解除によって生じる利上げは金利上昇につながるため、住宅ローン金利にも影響します。だからといって、すぐに大きな影響が出る可能性は低いです。というのも、あまり急に利上げをすると景気の悪化を招きかねないため、マイナス金利解除から段階を経てから、利上げへと金融政策の変更を進めることが見込まれるからです。
日銀による長期金利に関する金融政策、例えばYCCの目標となる長期金利の水準が変わるたびに、市場で取り引きされる金利の水準が変化するため、固定金利に影響が及ぶのは避けられないでしょう。
とはいえ、これは、新たに住宅ローンを組もうとしている人にあてはまる話です。すでに住宅ローンを組んでおり、しかもそれが全期間固定型である場合は、当初の金利が最後まで固定される契約になっているはずなので、マイナス金利政策解除による影響は受けないと考えてよいでしょう。
変動金利型は、たいていの場合、短期プライムレートが基準になっています。短期プライムレートは政策金利の影響を受けるので、マイナス金利解除によって利上げがスタートすれば、短期プライムレートの金利も上がります。そうなると、変動金利もその影響を受けます。
利上げが始まる前に住宅ローンを組んでおくのも、ひとつの方法です。ローンの種類によっては、家計にひびくのを回避することが可能になります。
ただし、マイナス金利の解除によって、預金金利の上昇だけでなく賃上げも見込めるので、増加した金利分がそのまますべて負担になるというわけではありません。
また、急いで住宅の購入やローン組みを決めてしまうと、後々のトラブルにつながるリスクがあります。マイホームの費用や金利タイプについては、慎重に比較検討した上で選択することをおすすめします。
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