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2025年に、省エネ基準適合義務化が実施されます。施行された場合、住宅価格は上がるかどうかについて解説します。
省エネ基準適合義務化とは、原則として、すべての新築住宅や非住宅に省エネ基準適合が義務付けられる内容です。2025年4月1日に施行が予定されています。背景は、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現目標です。
原則のため除外される建物もあります。畜舎や自動車倉庫のように、居室がない、開放性が高く空気調和設備が不要の建築物、文化財指定の建築物といった保存のために省エネ基準に適合するのがむずかしい建築物や、仮設建築物、10平方メートル以下などの建築物です。
省エネ基準適合の建物はさまざまな設備が必要です。外壁の断熱材、高断熱性の窓、効率性の高い空調や発光ダイオード照明などがあります。価格は安いものではないです。また、過去に省エネ基準が厳しくなると建築資材の値上がりがありました。
省エネ基準義務化と同様に建築資材価格のアップにより、コストが上がる可能性が高いです。省エネ基準適合義務化はどうしても新築の価格アップは避けられないことが予想されます。
ただし、快適性が従来の住宅よりアップするでしょう。省エネ基準適合義務化により価格は高くなるかもしれませんが、結果として長く住みやすい住宅になるといったメリットもあるので、決して悪いことばかりではないのです。
2050年の省エネ基準適合義務化と同様に2030に、ZEH基準適合義務化も囁かれており無視できません。ZEHは断熱性能や省エネ性能アップ、太陽光発電により自宅でエネルギーを作り出せる家です。
政府は2030年までに住宅と建築物の誘導基準への適合率が8割以上になった時点で、2025年に適合義務化された省エネ基準をZEH基準の水準に引き上げるとしています。誘導基準値は、断熱性能等級5で一次エネルギー消費量等級6の性能を持った家です。
2024年時点では、省エネ基準の断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級は共に4級。一次エネルギー消費量等級の最高水準を5級としています。2030年に省エネ基準がZEH水準になったとします。2025年の省エネ基準では2030年以降の省エネ基準に適合しない可能性が出てくるのです。
「2030年に新築する住宅や建築物はZEHやZEB基準が水準の省エネ性能が確保されること」と政府も明示していますが、まだ義務化が確定しているわけではありません。ただ、省エネ基準適合義務化はあるため、その点を見て一歩先に考えを巡らせZEH基準の住宅を検討するのもいいでしょう。
ZEHはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。断熱性や省エネ性の向上、太陽光発電による一次消費エネルギー量0を目指します。一次消費エネルギーとは、空調をはじめ、給湯や照明や換気などです。
ZEH水準は断熱性、省エネ性能、創エネという3つの要素について基準をクリアしなければなりません。断熱性はUA値0.4〜0.6[W/m2K]以下、省エネ性能は一次エネルギー消費量を従来より20%以上削減、創エネは太陽光発電や家庭用燃料電池、蓄電池などの設備が必要です。
ZEHの普及に取り組み始めた要因は日本のエネルギー問題が関係しています。きっかけは2011年の東日本大震災です。日本は災害が多い国として知られており、エネルギーの多くを輸入に頼ってきた背景がありました。エネルギー自給率の低さが問題となり、国内エネルギー生産が十分ではなくなれば、エネルギー価格が安定しません。
課題解決のために、住宅の省エネルギーや創エネルギーに目が向けられたという理由もあるのです。
ZEH基準はUA値0.4〜0.6[W/m2K]以下、省エネ性能、一次エネルギー消費量を、従来よりも20%削減、同時に太陽光電池を中心としてエネルギーを創出できるというものです。省エネ住宅も省エネを通して光熱費削減が期待できます。ただ、ZEH住宅のほうが省エネという面で考えると有効といえるでしょう。
たとえば、北海道札幌市などを対象とした2024年時点での省エネ住宅だと、年間光熱費は約346,000円、東京都23区を対処にすると約239,000円です。ZEH水準の省エネ住宅では北海道札幌市だと約250,000円、東京都23区だと193,000円で、かなりの差額が出てきます。
さらにZEH住宅で太陽光パネルを設置すれば、北海道札幌市では約160,000円、東京都23区で153,000円です。省エネ住宅でも光熱費は安くなります。ただ、ZEH住宅は省エネ住宅以上に光熱費を抑えられる期待が持てるのです。また、創エネを太陽光で創出することは、日常的なエネルギー消費に充てるだけでは終わりません。災害時、インフラが機能しない場合にも助けになります。
他にもZEH水準の省エネ住宅を導入する場合、最大で140万円/戸、住宅ローン減税、戻って来る金額最大182万円アップ、総返済額280.3万円ダウンのフラット35の借入金利の引き下げなどがあります。
【選定条件】Googleにて「佐賀市 注文住宅」で出てくる公式サイトのうち、佐賀市に拠点がありZEHビルダーに登録されている中でも公式サイトでお客様の声を掲載している3社を選定。(2024年6月28日調査)